- エンザートとは?
主に直タップではめねじの強度が弱い母材(アルミ合金、プラスチック材全般など)の補強として使用されるインサートナットです。 内径部と外径部の両方にねじを持ち、個体に割溝式または三つ穴式の切刃を備えています。
比較的強度の低い母材のねじ部を、機械的強度を補い信頼性の高い締結部品として機能します。
また、壊れためねじの再生・補修にも有効です。
各タイプの特徴はコチラになります。
- エンザートの取り付け方法は?
まず始めに、下穴表を参考にして壊れためねじ山にドリルで下穴を空けます。
次に、エンザート挿入工具にエンザートの向きに注意(割溝や三つ穴がある方が下になります)しながら取り付け、下穴へ垂直にねじ込みます。
エンザートが1/3以上入ったら修正はできませんので、注意してください。
エンザートを挿入し終えたら、エンザート挿入工具の六角部をスパナ等で固定し、ハンドルを反転させると工具を引き抜くことができます。
これで、挿入されたエンザートの内ねじが新たなめねじとなります。
動画でも挿入の手順を確認することができますので是非ご覧ください。
動画:エンザート挿入工程(手動)
- エンザートは、どんな材料に使用できる?
熱処理していないアルミ合金及び樹脂やプラスチック材など、直タップではめねじの強度が弱い母材にご使用いただけます。
また、高強度の母材に対しては基本的に使用を控えるか、エンザート専用タップを使用しての取り付けとなります。
- エンザートは、鉄やステンレスに使用できる?
エンザートは強度の低いアルミ等を相手に自力切削で挿入することが前提であり、自力切削のみで挿入できない母材に対してはお薦めできません。
鉄やステンレスが母材の場合は、母材が硬いため自力切削のみでは挿入出来ず、補助としてエンザート専用タップが必要になります。
しかしエンザート専用タップを使用すると、自力切削のみで挿入する場合に比べて特に回転方向の強度が劣るので、エンザート専用タップで切る量を可能な限り少なくして下さい。
タップに沿わせて挿入するコイル型インサートと違い、エンザートはタップを全長分全て切ると、めねじとしての機能を果たせなくなります。